【第3回定期演奏会】

 

J. S. バッハ ブランデンブルグ協奏曲第3番ト長調 BWV1048

バッハの代表作のひとつに数えられるこの曲はヴァイオリンとヴィオラ、チェロという弦楽器だけで演奏されますが、それぞれが三つに分かれて楽器群を構成してお互いの掛け合いによって音楽が展開させていくというCDで聴くと感動する作品です。

練習を始めた当初は誰が先に弾き終えるかとばかりの『競争曲』でしたが そのうちお互いが主張する『競騒曲』になり、最近やっと『協奏曲』らしくなってきました。通奏低音を含めるとステージ上のメンバーが10に分かれて協奏するバッハをお楽しみください。

ちなみにバッハは65年の生涯で20人の子供をもうけたんやって!(強壮曲?!)(Y・I)

 

F. J. ハイドン チェロ協奏曲第2番ニ長調

この協奏曲はウィーン古典派を代表する大作曲家ハイドン(1732~1809)が、モーツァルトもベートーヴェンも書かなかったチェロ協奏曲の分野に残した最高傑作です。ハイドンの創造の円熟期であった1783年の51歳に、彼が仕えていたエステルハージ家のオーケストラの名手でハイドンに作曲を師事していたアントン・クラフトのために作曲されました。

第1楽章はどこまでも優美で上品な旋律、オーケストラとソリストの華やかな対話を流麗に繰り返します。

第2楽章は母性の懐へ包み込まれる子守唄のように、慈愛に満ち溢れています。

第3楽章は軽やかなロンドの主題をソナタ形式の中で、チェロが躍動美いっぱいにフィナーレに突き進んで行きます。

尊敬する三宅康司先生と、新進気鋭のソリスト山口真由美さんをお迎えして、この最高傑作を一期一会で精一杯演奏をさせていただきます。(J・M)

 

P. チャイコフスキー 弦楽セレナーデハ長調作品48

いつかはチャイコ・・・。6年前に大阪・京橋の片隅で弦楽器の愛好家たちが寄り添って始めたこの小アンサンブルにとって、今日がこの「いつか」です。チャイコフスキーが40歳のときの作品で弦楽器だけのために書かれた合奏曲の最高峰のひとつ。

第1楽章は、華麗かつ情念のこもった総奏によって始まり、モーツァルトなどの古典に範をとった形式美が光る。

第2楽章は、チャイコフスキーが得意としたワルツで、甘美で親しみやすい旋律がふんだんに盛り込まれる。

第3楽章は、エレジー(悲歌)。あたかも葬送の野辺で故人の人生を回想するかのごとく、人間のすべての情感を表現しつくさんばかりで、切ない歌心にあふれています。

第4楽章は、瞑想的な開始部をへて、ロシアの可愛らしいメロディが縦横に駆け巡り、そして最後に、冒頭に奏された印象的なフレーズが回想され、このうえない力強さで全曲をしめくくっています。(S・S)


チェロ独奏 山口真由美

京都市立芸術大学音楽学部卒業。同大学大学院音楽研究科修了。

チェロを、故 野村武二、野村朋亨、上村昇、河野文昭の各氏に師事。

J. シュタルケル、D.ゲリンガス、Ph.ミュレールの各氏の公開レッスン受講。

第2回 KOBE国際学生音楽コンクール、兵庫県文化協会賞受賞。

武生国際音楽祭’98にて、アプローズ賞受賞(Vn.&Vc.)。

’99いしかわミュージックアカデミーにおいてI M A 音楽賞受賞、翌年、奨学生として米国コロラド州アスペン音楽祭に派遣された。

指揮 三宅康司

1973年7月京都市交響楽団入団 1974年3月大阪音楽大学音楽学部卒業

1980年文化芸術家在外研修員としてドイツに留学、ヴユルツブルグ音楽大学にて G・クラウス教授に師事。またイタリア・シエナでの夏季音楽大学にてF・ペトラッキ教授に 師事した。

京都市交響楽団首席コントラバス奏者 大阪音楽大学、大阪教育大学非常勤講師。

伊丹シティフィルハーモニー・トレーナー。伊丹芸術家協会新人賞を受賞関西室内楽協会会員。伊丹芸術家協会会員。